【鹿角市】尾去沢鉱山見学ガイド|ツアー予約・料金・坑道の服装を解説
鹿角市の「史跡尾去沢鉱山」は、約1,300年にわたる採掘の歴史を伝える産業遺産です。
ただし2026年4月1日から運営形態が変わり、予約なしで立ち寄れる観光施設ではなくなっています。受け入れの対象は社会科見学を目的とした団体に限られ、見学には事前予約が欠かせません。
参考:2026年度より運営形態変更のお知らせ|史跡尾去沢鉱山
2026年8月20日には一般向けの特別公開ガイドツアーが1日限定で開かれましたが、申込締切は8月7日で、すでに受付を終えました。
この記事では、団体見学と一般向け特別公開の違い、料金や所要時間、次回募集の確認方法、年間約13℃の坑道に入るときの服装まで解説します。あわせて、一般公開が終わった背景にある数字や、鉱山史に残る二つの出来事にも触れていきましょう。
史跡尾去沢鉱山とは

尾去沢鉱山は、金や銀、銅を産出してきた鹿角市の鉱山跡です。
鹿角公式観光サイトによると発見は708年とされ、江戸時代の手掘り坑道から近代の機械掘りの跡まで、時代の異なる採掘跡が一つの山に残ります。
1889年からは岩崎家、のちの三菱の経営下で近代化が進み、1894年に坑内電話、1896年には水力発電による全山送電が実現しました。三菱の経営期だけで銅30万トン、金4.4トン、銀155トンを産出したと推定されています。
その後は銅鉱石の枯渇と採算の悪化が重なり、1966年に製錬を中止、1978年に閉山しました。見学できる観光坑道は全長約1.7kmで、坑内には採掘の様子や約900万年前の地層を再現した展示が続きます。
鹿角市も、尾去沢鉱山で使われた採鉱・運搬・選鉱の道具を文化財として紹介しています(参考:尾去沢鉱山資料|鹿角市/史跡尾去沢鉱山|旅するかづの)。
坑道を歩く見学は、単に地下へ入るだけの体験ではありません。鉱山で働いた人々の仕事ぶりや、鹿角の産業がどう発展したのかを、現地の空気ごと受け取れます。
産業遺産が好きな方はもちろん、教科書で習う歴史を実物で確かめたい家族連れにも向いているでしょう。
通常見学とガイドツアーの違い

2026年に尾去沢鉱山を訪れるなら、ここが最大の注意点になります。
2026年4月1日から、史跡尾去沢鉱山は「完全予約制の社会科見学施設」へ移行しました。個人客や一般旅行ツアーは対象外で、修学旅行、校外学習、大学・学会、社会人研修などの団体を受け入れています。ガイドによる案内が前提のため、自由見学はできません。
以前のように「好きな時間に入って通常コースを回る」感覚で予定を組むのは避けましょう。予約が入っている時間以外は閉場しているので、「鹿角へ行くから、ついでに尾去沢鉱山へ」という立ち寄り方は成り立ちません。
一般公開が終わった背景
運営縮小の理由は、集客の落ち込みと担い手不足にあります。地元紙の報道によると、来場者はピークの1989年に年間約51万人を数えたものの、近年は2万5千人から3万人ほどまで減っていました。
運営体制も社員3人と嘱託社員1人、それにアルバイトという規模で、人手不足と従業員の高齢化が重なります。坑道案内や土産品販売を含む従来の事業を続けるのは難しいと判断され、一般公開は2026年3月31日で幕を下ろしました。
この判断にともない、純金砂金採りなどの体験メニューと土産品販売も同時に終了しています。以前の紹介記事に載っている体験プログラムは、現在の案内から外れました。
とはいえ、門戸が完全に閉じたわけではありません。2026年8月20日には一般向けの特別公開ガイドツアーが組まれ、約1.7kmの坑道を専門ガイドと巡る1日限定の企画として実施されました。
尾去沢鉱山見学ガイドの申込方法と料金・所要時間

団体で見学する場合は、見学日の1か月前までを目安に予約を入れます。
2026年度の公式案内では、受け入れ可能な最小人数は8名で、7名以下は相談に応じるとされています。申し込みはFAXまたはメールで送り、送信後に電話で確認する流れになります。
料金はガイド付きで、大人1,500円、高校生1,100円、中学生1,000円、小学生以下900円です。高校までの引率者は無料で、見学できる期間は4月1日から11月30日までの月曜から土曜、受付時間は9時から16時までとなっています。
8月20日の一般向け特別公開は料金が別で、大人2,000円、高校生以下1,000円でした。開催は13時と14時30分の2回制で、1回あたり約60分、定員は各回60名に設定されています。申込締切が8月7日16時だったため、すでに受付を終えました。
見学にかかる時間の目安
秋田県の教育旅行ポータルによると、坑道見学の所要時間はおよそ30分から50分です。
一般向け特別公開のように約1.7kmを通しで歩く回では、60分ほどを見込んでおくと余裕が生まれます。受付は16時までのため、夕方ぎりぎりの到着にならないよう逆算して動きましょう。
今後の一般向けツアーを狙うなら、史跡尾去沢鉱山の公式サイトだけでなく、鹿角公式観光サイトや道の駅かづの あんとらあのイベント情報もあわせて確認してください。次回の開催日は未定なので、発表を待ってから旅程を固めるほうが確実です。
尾去沢鉱山見学ガイドのアクセスと服装の注意

史跡尾去沢鉱山は、秋田県鹿角市尾去沢字獅子沢13-5にあります。駐車場は無料なので、車で向かっても料金の心配はいりません。
坑道内でとくに意識したいのが、年間を通じて約13℃という温度です。8月の鹿角で外が暑くても、地下へ一歩入れば空気が変わります。半袖だけで向かうより、羽織れる長袖を1枚持っておくと安心でしょう。
約1.7kmを歩く特別公開では、履き慣れた靴も欠かせません。坑道探検といっても装備を本格的にそろえる必要はなく、サンダルを避けて歩き慣れたスニーカーを選べば十分です。
小さな子ども連れなら、約13℃の環境と徒歩での移動があると事前に伝えておくと、当日の動きがスムーズになります。
なお、一般向け特別公開は毎回開かれるとは限りません。旅行日程を先に決めるより、募集情報を確かめてから予定を組むほうが失敗を避けられます。
尾去沢鉱山の歴史に残る二つの出来事
明治政界を揺るがした「尾去沢銅山事件」
尾去沢鉱山の名は、観光地として知られる前に、明治初期の疑獄事件で世間の注目を集めました。
発端は1871年、南部藩が御用商人の村井茂兵衛から借りていた5万5千円の扱いにあります。証文にあった「奉内借」という慣例的な文言を、大蔵大輔だった井上馨は「村井が藩から借りた金」と解釈し、新政府への即時返済を迫りました。返済できない村井は経営していた尾去沢銅山を失い、銅山は井上と近い商人・岡田平蔵へ、3万6千円あまりの15年賦・無利息という条件で払い下げられます。
1873年には司法卿の江藤新平が井上を告発し、井上は大蔵大輔の職を辞しました。ただし同じ年の明治六年政変で江藤が下野したため、追及はうやむやのまま立ち消えになっています。
井上の行為を権力犯罪と断じる評価がある一方、当時の債務整理としては正当な処理だったとする見方も残り、評価は今も割れたままです。
坑道を歩きながら、この鉱山が明治政界を揺らした舞台でもあったと知ると、風景の見え方が少し変わってくるのではないでしょうか。
362人が犠牲になった1936年の鉱滓ダム決壊
もう一つ、鹿角の人々の記憶に深く刻まれているのが、1936年11月20日の事故です。
午前4時ごろ、製錬所の硫化泥沈殿貯水池が決壊し、流れ出た泥流が坑夫長屋をのみ込みました。犠牲者は362人にのぼり、国内の鉱山災害でも有数の規模となっています。さらに復旧作業の途中だった12月22日にも再び決壊が起こり、12人が命を落としました。
華やかな産業遺産という側面だけでなく、こうした犠牲の上に鉱山の歴史が積み重なってきた事実も、現地に立つと重く伝わってきます。
尾去沢鉱山見学のよくある質問
尾去沢鉱山の一般公開が終了するのはなぜですか?
来場者の減少と、運営体制の維持が難しくなったことが理由です。地元紙の報道では、ピークだった1989年に年間約51万人あった来場者が、近年は2万5千人から3万人ほどまで落ち込んでいました。運営は社員3人と嘱託社員1人、アルバイトという少人数で支えており、人手不足と従業員の高齢化も重なります。坑道案内や土産品販売を含む従来の事業を続けるのは難しいと判断され、一般公開は2026年3月31日で終了しました。公式サイトは、地域の重要な産業遺産を将来へ継承するための運営形態変更だと説明しています。
尾去沢鉱山事件とは?
一般には「尾去沢銅山事件」と呼ばれる、1871年から1873年にかけての疑獄事件を指します。大蔵大輔だった井上馨が、南部藩と御用商人・村井茂兵衛の貸借関係を逆に解釈して村井へ返済を迫り、村井の経営する銅山を没収したうえで、井上に近い商人へ好条件で払い下げた、という経緯でした。1873年に司法卿の江藤新平が告発し、井上は辞任へ追い込まれます。ところが明治六年政変で江藤が失脚すると、追及は立ち消えになりました。なお、正当な債務処理だったとする反論もあり、評価は定まっていません。
また、1936年11月20日に起きた鉱滓ダムの決壊事故を「尾去沢鉱山の事件」として記憶している方もいます。こちらは製錬所の沈殿貯水池が決壊して坑夫長屋をのみ込み、362人が犠牲になった災害です。
尾去沢鉱山の見学時間は?
2026年度の受付時間は、4月1日から11月30日までの月曜から土曜、9時から16時までとなります。日曜・祝日と12月から3月までの冬季は休業しています。坑道見学そのものにかかる時間はおよそ30分から50分で、約1.7kmを通しで歩いた一般向け特別公開では各回およそ60分かかりました。受付や説明の時間も含めると、現地では1時間半ほどの余裕をみておくと安心でしょう。
尾去沢鉱山で観光するにはどうしたらいいですか?
2026年度時点では、個人がふらりと立ち寄る形での観光はできません。方法は大きく二つに分かれます。
一つは、社会科見学として団体で予約する方法です。修学旅行や校外学習、大学・学会、社会人研修などが対象で、最小8名から受け付けています。見学日の1か月前までにFAXかメールで申し込み、その後に電話で確認しましょう。
もう一つは、2026年8月20日のような一般向け特別公開を待つ方法になります。開催は不定期のため、史跡尾去沢鉱山の公式サイト、鹿角公式観光サイト、道の駅かづの あんとらあのイベント情報をこまめに確認してください。募集が出てから旅程を組むほうが、無駄足を避けられるでしょう。
坑道の見学が難しい時期でも、鹿角には大湯環状列石や道の駅かづの あんとらあといった立ち寄り先があります。尾去沢だけを目的にせず、鹿角全体を楽しむ旅として組み立てると、満足度が上がるはずです。
尾去沢鉱山見学ガイドのまとめ
尾去沢鉱山の見学は、2026年度から利用方法が大きく変わりました。個人が予約なしで入れる通常見学はすでに行われておらず、現在は団体向けの完全予約制で運営されています。
一般の方が坑道に入るには、今後発表される特別公開やガイドツアーを狙うのが現実的な選択になります。史跡尾去沢鉱山の公式サイトと鹿角公式観光サイトを定期的に確認し、募集が出たら早めに申し込みましょう。
約1,300年の採掘の歴史、明治の疑獄事件、362人が犠牲になった1936年の事故まで知ったうえで歩くと、1.7kmの坑道はただの見学コース以上の意味を持ちます。
坑道内は約13℃なので、夏でも長袖を1枚忘れないでください。外気との差に「ここ、秋田の8月だよね?」と驚くくらいの準備が、ちょうどよさそうです。
施設概要
| 項目 | 内容 |
| 施設名 | 史跡尾去沢鉱山 |
| 住所 | 秋田県鹿角市尾去沢字獅子沢13-5 |
| 見学方法 | 完全予約制・ガイド付き |
| 対象 | 社会科見学などの団体(最小8名/7名以下は要相談) |
| 料金 | 大人1,500円、高校生1,100円、中学生1,000円、小学生以下900円(高校までの引率者は無料) |
| 見学期間 | 4月1日~11月30日の月~土曜 |
| 時間 | 9:00~16:00 |
| 休業日 | 日曜・祝日、12月~3月 |
| 所要時間 | 坑道見学の目安 約30~50分(1.7km通し歩行は約60分) |
| 予約方法 | 見学日1か月前までにFAXまたはメール→電話で確認 |
| 駐車場 | あり・無料 |
| 電話 | 0186-22-0123 |
| 次回一般公開 | [要確認] |
参考:
史跡尾去沢鉱山公式サイト|史跡尾去沢鉱山
史跡尾去沢鉱山 観光坑道見学ツアー|旅するかづの/鹿角公式観光サイト
2026年度より運営形態変更のお知らせ|史跡尾去沢鉱山
史跡尾去沢鉱山 観光坑道見学ツアー|道の駅かづの あんとらあ
尾去沢鉱山資料|鹿角市
鹿角市の史跡尾去沢鉱山、年度内で一般公開終了|秋田魁新報
史跡 尾去沢鉱山|秋田県教育旅行情報ポータルサイト




