秋田県の「除排雪団体設立助成事業費補助金」とは?|対象団体・助成額・申請方法を解説
秋田県は、高齢者世帯などの除排雪を地域で支え合う団体の立ち上げを支援する「除排雪団体設立助成事業費補助金」を、令和8年度(2026年度)も実施しています。
補助上限は8万円、補助率は対象経費の10分の10以内です。
募集予定は5団体で、採択団体数が予定数に達した時点で受付が終了します。申請を検討する場合は、県の公式サイトや担当窓口で最新の募集状況をご確認ください。
ただ、上限8万円の支援があっても、作業を担う人や翌冬の運営費が決まっていなければ、活動を始める準備は整いません。
この記事では、自治会・地域づくり団体の方に向けて、対象条件や申請方法に加え、県内団体の活動例をもとにした考察と、資金計画の検討例を紹介します。「自分たちの地域でどう使うか」まで考えるための材料としてお役立てください。
制度の概要

秋田県の「除排雪団体設立助成事業費補助金」は、高齢者世帯などの除排雪に関する地域の課題を解決するため、住民同士の支え合い体制をつくる団体の設立を支援する制度です。
県が2026年5月に公表した情報では、平成24年度に横手市で4団体が設立されて以降、これまでに県内で79団体が設立されています。
県の資料では、地域の実情に合わせた各団体の取組が紹介されています。
参考:秋田県内の除排雪団体(共助組織)活動状況
補助金の対象は、こうした団体の設立等にかかる費用です。除排雪活動の経費を毎年補助する制度ではなく、地域で支え合う仕組みをつくる最初の一歩を後押しします。
私は、申請前に「支援する範囲」「作業を担う人」「翌年度の費用」を決めておくことが重要だと考えます。除雪用具を購入しても、誰がどの世帯を担当するかが曖昧なままでは、依頼が来たときの対応に迷うためです。
秋田県の審査でも事業の実現性と継続性が確認されることから、補助金の使い道と運営体制を一緒に検討するのがよいでしょう。
対象となる団体と助成内容

対象団体や助成額、主な補助対象経費は以下の通りです。
対象団体
高齢者世帯などの除排雪に関する地域課題に対応するため、令和8年度中に地域住民を主体として設立する団体が対象となります。設立予定の団体も含まれます。
また、令和8年度中に必要な用具をそろえ、令和9年度から本格的に支援活動を始める場合も対象です。
募集案内はこちら
実施要領はこちら
対象となる事業は、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 地域の除排雪の課題を解決するための支援活動であること
- 計画に実現性があり、活動の継続が見込まれること
- 代表者への連絡手段があり、説明会や審査会などに参加する体制が整っていること
審査では、活動内容の具体性や実施スケジュール、必要経費の妥当性なども確認されます。
除排雪団体設立助成事業の審査基準はこちら
【助成内容・条件】
補助金額:上限8万円
補助率:補助対象経費の10分の10以内
募集予定数:5団体
募集期間:令和8年7月1日(水)から随時受付。採択団体数が予定数に達した時点で終了
事業対象期間:交付決定日から令和9年3月31日(水)まで
補助率が10分の10以内でも、かかった費用のすべてが補われるとは限りません。補助対象外の経費や上限を超える分は、団体側で負担する必要があります。
主な補助対象経費は、設立に伴う事務作業の賃金、消耗品費、保険料、会場借り上げ料、物品購入費などです。
除雪機械や除雪用トラクターのアタッチメントの取得費用も対象ですが、補助上限は合計8万円です。令和8年度募集案内はこちら
購入予定の用具などが対象となるか、準備の段階で県へ確認しておくと安心です。
県内の活動例から考える、用具と運営費の準備

県が公表した活動状況を見ると、団体によって用具の確保方法や運営資金、役割分担が異なります。以下は公表された事実と、それを踏まえた本記事の考察を分けて整理したものです。
参考:秋田県内の除排雪団体活動状況(令和8年3月31日時点)
| 団体・地域 | 県の資料に記載された活動例 | 団体立ち上げに向けた本記事の提案 |
| 黄桜スノーバスターズ・由利本荘市 | 会員が所有する機械と、社会福祉協議会から借りた機械を使用 | 機械を借りられれば、購入費を抑えられます。 新しく買う前に、会員や地元の社会福祉協議会へ、借りられる機械がないか相談しましょう。 |
| 粕毛地区共助隊・藤里町 | 自治会の協力と町の助成金で運営 | 団体をつくった後の活動費も考えておきましょう。 燃料代や保険料などを誰が負担するか話し合い、自治会の支援や市町村の助成が利用できるか確認します。 |
| 横森五丁目共助会「除雪ボランティア隊」・秋田市 | 支援対象の12軒を10名の会員が分担し、担当者の判断で間口除雪を実施 | 「誰がどの家を担当するか」を決めておきましょう。 作業に行く人が明確になります。担当者が休む場合の連絡先も決めておくと安心です。 |
これらは団体運営の参考例であり、本補助金の採択実績を示すものではありません。また、どの地域でも機械を借りたり、同じ助成を受けたりする条件が整っているとは限らない点にも注意が必要です。
私は「購入する用具」「借用を相談する用具」「翌年度も支出する費用」を分けてから、補助金の使い道を決める方法をおすすめします。購入費だけでなく、燃料・保険・修理などの費用も見通せるためです。
設立の流れと相談先

まずは地域の仲間と、支援する世帯や作業範囲、参加人数、必要な用具などを話し合いましょう。書類づくりに迷った場合は、準備が整う前でも、以下の申請サポート窓口へ相談してください。なお、ここで解説する内容は2026年8月31日時点の情報です。
1. 設立準備・書類作成
応募に必要な書類は、次の3種類です。
- 応募書
- 団体の規約その他の規程
- 取組内容が分かる参考資料など
応募書の様式は、秋田県の募集案内ページからダウンロードしてください。記入前に次の項目を1枚のメモにすると、地域内の話し合いや窓口での相談を進める材料になります。
| 先に整理する項目 | メモに書く内容 |
| 地域の困りごと | どの世帯の、どの場所の除排雪に支援が必要か |
| 対応する範囲 | 支援する世帯数、作業範囲、引き受けない作業 |
| 人員と役割 | 作業担当、連絡担当、会計担当、担当者が不在の場合の対応 |
| 安全と保険 | 作業を中止する判断者、事故時の連絡先、保険で確認したい点 |
| 費用 | 初年度の支出、入金前に必要な資金、翌年度の運営費と負担者 |
これは私が提案する相談用メモであり、県が指定する追加の必須書類ではありません。未定の項目は無理に埋めず、相談したい点として残しておきましょう。
なお、応募書類の作成・提出にかかる費用は、応募する団体の負担です。
2. 申請サポート窓口での相談
「規約の書き方が分からない」「申請書類の準備に不安がある」という場合は、地区ごとの支援団体へ相談しましょう。以下の団体が、書類作成や事務手続きの支援を行っています。
| 地区 | 相談先 | 電話番号 |
| 県北地区 | 特定非営利活動法人 秋田県北NPO支援センター | 0186-49-8552 |
| 中央地区 | 特定非営利活動法人 あきたパートナーシップ 秋田県ゆとり生活創造センター「遊学舎」 | 018-829-5801 |
| 県南地区 | 特定非営利活動法人 秋田県南NPOセンター | 0182-33-7015 |
3. 提出・申請
書類が整ったら、県の担当窓口へメール・郵送・持参のいずれかで提出します。提出部数は1部です。
| 項目 | 内容 |
| 問い合わせ・提出先 | 秋田県生活環境部県民生活課 安全安心まちづくり・交通安全チーム |
| 住所 | 〒010-8570 秋田市山王四丁目1番1号(秋田県庁舎5階) |
| 電話番号 | 018-860-1522 |
| メール | kenminseikatu@pref.akita.lg.jp |
| 持参の受付時間 | 県の休日を除く8時30分~17時15分 |
メールや郵送で提出した場合は、書類が到着しているか提出先へ確認してください。
採択後の手続きと補助金の受け取り

採択後は、別途、補助金等交付申請書・事業実施計画書・収支予算書を提出します。
事業終了後には実績報告が必要です。提出期限は、事業終了後1か月以内、または令和9年3月31日のいずれか早い日。領収書や活動記録なども、報告に備えて保管しておきましょう。
補助金は、県が実績報告を確認して金額を確定した後、団体の請求に応じて支払われます。精算払いのため、用具購入などの支出に備えた資金の準備も必要です。
詳細は、実施要領・交付申請、実績報告、精算払のページを確認しましょう。
資金計画の検討例:最終的な負担額と、先に支払う金額を分ける
例えば、団体が12万円を支出し、全額が補助対象経費として認められ、補助金が上限の8万円に確定した場合を考えてみましょう。以下は仕組みを説明するための仮定であり、実際の見積もりや交付額ではありません。
| 項目 | この仮定での金額 |
| 支出総額 | 12万円 |
| 確定した補助金額 | 8万円 |
| 補助金を受け取った後の団体負担 | 4万円 |
| 補助金の入金前に全額を支払う場合の必要資金 | 12万円 |
この条件なら最終負担は4万円ですが、支払い時点では12万円を用意する必要があります。申請を検討する段階で「最終的にいくら負担するか」と「先にいくら支払うか」を分けて確認してください。
団体を作らずに手伝いたい場合は
「まずは個人でボランティアとして手伝いたい」という場合は、市町村社会福祉協議会への相談も選択肢です。
秋田県は、自力で除雪するのが難しい高齢者・障害者世帯などを支える除雪ボランティアを案内しています。
募集状況や参加条件、活動内容は、希望する地域の社会福祉協議会にお問い合わせください。除参考:雪ボランティアの募集について
注意点
申請を検討する際は、対象となる費用や支出時期、募集の終了条件を確認しておきましょう。
立ち上げ費用専用の補助金です
本補助金は、令和8年度に設立する団体の設立等に係る経費を支援するものです。既存の除排雪団体の活動費を毎年継続して補助する制度ではありません。
対象期間は原則として交付決定後からとなるため、**補助金を使う予定の用具購入や契約は、事前に県へ確認してください。
また、事業と直接関係のない経費や、個人の資産形成につながるものは対象外です。
申請すれば必ず交付されるわけではありません
採択には審査があり、活動計画や実施体制などが確認されます。申請しただけで補助金の交付が決まるわけではありません。
本記事では、支援する世帯や作業範囲が決まり、担い手・資金の見通しが立っている地域なら、申請の具体化を進めやすいと考えます。
一方、代表者1人に作業や会計が集中する計画なら、まず役割分担の相談を優先したいところです。
これは採択を予測する基準ではありません。
県の審査では、事業内容や実施体制など、定められたすべての審査項目を満たすかが確認されます。
募集は定員に達し次第終了します
募集は随時受付ですが、審査を経て採択された団体数が5団体に達した時点で終了します。
令和9年3月31日は事業対象期間の終期であり、その日まで募集が続くとは限りません。
準備を後回しにせず、まず受付状況を確認し、書類の作成に取りかかりましょう。
まとめ
秋田県の除排雪団体設立助成事業費補助金は、地域住民が主体となって除排雪の共助組織を立ち上げる際に活用する制度です。補助対象経費に対して上限8万円の支援があり、設立予定の団体も対象に含まれます。令和8年度中に用具などを準備し、翌年度から本格的に活動する場合にも対応しています。
本記事の考えは、補助額だけで申請を決めず、翌冬も動ける体制を先に考えることです。県内の事例には、機械の借用や自治会との協力、担当世帯の分担など、用具の購入以外にも検討できる工夫があります。
自治会や地域づくり団体で活用を検討するなら、まず相談用メモに「未定の項目」を書き出し、地区の申請サポート窓口へ持ち込んでみましょう。最初から完成した計画を用意しようとせず、決めるべき点を明らかにするところから進めてください。
制度概要
- 制度名:除排雪団体設立助成事業費補助金
- 対象:令和8年度中に、地域住民を主体として設立する除排雪支援団体(設立予定を含む)
- 補助上限:8万円
- 補助率:補助対象経費の10分の10以内
- 募集予定数:5団体
- 募集期間:令和8年7月1日から随時受付
- 募集終了:採択団体数が募集予定数に達した時点
- 事業対象期間:原則、交付決定日~令和9年3月31日
- 提出方法:メール・郵送・持参(1部)
- 補助金の支払い:実績報告の確認・金額確定後、団体の請求に応じて精算払い
- 問い合わせ・提出先:秋田県生活環境部県民生活課 安全安心まちづくり・交通安全チーム TEL:018-860-1522
※本記事は、2026年8月30日に確認した秋田県の公表情報をもとに作成しています。最新の受付状況や申請書類は、秋田県の募集案内で確認のうえ、不明点は担当窓口へお問い合わせください。
※県内団体の事例は公開資料に基づいており、独自取材による体験談ではありません。「本記事の考察」や相談用メモは制度を検討するための提案で、県の公式見解・追加の申請要件とは区別しています。




